南丹

『南譚:介在する因子』2020年度に実施した「京都:Re-Search in 南丹」で、映像作家の荒木悠はじめ6名のアーティストが南丹市全域をリサーチ、この地域の新たなアートドキュメント作成のための作品プランを構想しました。それをもとに、今年8月から9月にかけて約2ヶ月間、南丹市八木町に滞在しながら作品を制作しました。内藤ジョアンや丹波音頭など、南丹の歴史文化、地域の人との交流や風景などから着想を得て制作したそれら作品を、JR八木駅から大堰橋に至る駅前商店街の空き店舗を中心に展示します。

2021
10.1[FRI]-11.7[SUN]

金・土・日・祝のみ公開 <11.4[THU]は臨時公開>10:00-17:00 <16:30最終受付>

新作《JB》 など、全6作品

外から異物としてやってきた私を、八木の人々は受け入れてくれました。同様に、私の分身である作品群を、この町に同化させてみたい。どれほどその存在感を消して適応させることができるか。この試みは、いわゆる地域芸術祭に期待される賑やかしや活性化とは真逆の位置付けとなることでしょう。あたかも作品がそこにずっと在ったかのような、慎ましくも豊かな風景。この町なら、それを立ち上げることが可能な気がするのです。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《ROAD MOVIE》(2014)|Cafe HIRANO
《LOST HIGHWAY (SWEDED)》(2018)|Cafe HIRANO
《タイトル未定》(新作)|旧小川お茶店
《The Last Ball》(2019)|YOUR SHISEIDO みの吉
《タイトル未定》(新作)|つちや
《JB》(新作)|金龍山 清源寺

荒木 悠ARAKI Yu

1985年生まれ。異文化のはざまに着目し、それらを取り巻く事象を再現・再演・再話といった手法で編み直す映像インスタレーションを展開している。近年の主なグループ展に、「距離をめぐる11の物語:日本の現代美術」(国際交流基金、2021)、「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」(ポーラ美術館、箱根、2020)など。主な個展に「三泊五日」(板室温泉大黒屋、那須塩原、2021)、「ニッポンノミヤゲ」(資生堂ギャラリー、東京、2019)など。

映像インスタレーション《The Last Ball》2019、資生堂ギャラリー、撮影:加藤健

映像インスタレーション《密月旅行 HONEYMOON》2020、ポーラ美術館、撮影:加藤健

《trace JII》/ 《trace FI:LI》

南丹には川が多く、人々の生活は昔から川と共にあります。川が気になったのは、私自身の生活でも川がある風景が身近にあったためです。今回、人と川の現在における大きな接点のひとつと言える日吉ダムを起点にリサーチを始めました。筏下り、鮎漁、水害、ダム建設。取材を通して、時代をおって変化する南丹の人々の営みと川との距離感や付き合い方を感じ、私はこれらの在り方は人と人との付き合い方にも似た感覚があると思いました。

これは川をめぐる人と人、人と川との共存について思考し試行した作品です。

他、1作品を展示。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《trace JII》 (新作)|今西表具店
《trace FI:LI》(新作) |長屋
《文字についての試行》(2021)|川定

亀川 果野KAMEGAWA Kano

1996年生まれ、広島市立大学大学院 芸術学研究科 博士後期課程在学。日本画画材を中心に扱い、現在「言語と絵画表現の持つ抽象的な性質とそれらの関係性について」と「日本画という分野と作品について」を考察し制作している。

《Texture-move-》2020

《文字についての試行》2021、第24回広島市立大学芸術学部卒業修了作品展、広島

《完璧な歴史》

八木城にゆかりのあるキリシタン武将、内藤如安にまつわる歴史伝承のプロセスで発生する人々の態度に着目し、作品制作を行う。

他、1作品を展示。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《完璧な歴史》(新作)|まるや食堂
《完璧な歴史》(新作)|今西表具店
《LOVE IS OVER》(2017-)|南丹市役所八木支所

黒木 結KUROKI Yui

2017年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。日常において直面する私的・公的課題について、相互理解や根本的解決を図るための機会を設定し、身近な他者との試行錯誤を通じた作品制作、展覧会企画を行っている。主な展示に、VOICE GALLERY共同企画「思い立ったが吉日」(2021,VOICE GALLERY)、「ALLNIGHT HAPS 2019後期 “Kangaru” 」(2019-2020,HAPS)他

《展示空間“Kangaru”》2019、ALLNIGHT HAPS 2019後期“Kangaru”第1期展覧会、HAPS/京都、Photo by 中谷利明

《黒木結のFOOD》2021、川原茜×黒木結“Electric Taste Enhancer”食事会、BnA Alter Museum 2F/京都、Photo by 川原茜

《Long Vacation》

この土地で実際に寝泊まりや自炊をして生活を営み、特定の地域のトピックをリサーチするわけでもなく、地域の方とおしゃべりをして、宿泊所の目の前の川を眺めて、ただただ時間を過ごすこの感じは、疎開をしているようでもあり、終りのみえない休暇のように私は感じていた。今回の滞在制作では、パンデミックの現状を背景に、ローカルな土地で日々を過ごした経験を自身の身体的感覚に引き寄せた、“死生観”や“時間”に対してのアプローチを試みる。上記の新作のほかに、今回のテーマに関連した過去作の展示も併せて行う

他、2作品を展示。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《Long Vacation》(新作)|長屋
《忘れようとしても思い出せない》(2018)|まるや食堂タバコ屋
《もっと光を?》(2021)| HACHI_HACHI_蔵

小山 渉KOYAMA Wataru

1992年生まれ、2016年東京造形大学卒業。 人間の精神や想像力への関心をベースに、映像や写真、インスタレーション等の発表を行う。近年は精神福祉施設での仕事を契機に精神疾患にまつわる作品を展開。 主な展示は、個展“心臓が動いている”(2021,デカメロン)、“Untouchable”(2019,北千住BUoY)、他に“1GB”(2020,スパイラル)、“Phantasma”(2019,blan Class)等。

《社会は夢の共同体 -私たちはまともを装う- | Society is Community of Dream -We Pretend to be Sane-》2020、1GB、SPIRAL/東京

《心臓が動いている | The Heart is Beating》2021、心臓が動いている The Heart is Beating、デカメロン/東京

《Song(仮)》

民謡が好き。だけどいつから私はこの音に居心地の良さを感じる様になったのだろう。祖父がラジオで毎日聞いていた民謡歌手は、誰だったのだろうか。はっきりと認識されないまま私の一部になってしまったもの。今作品は南丹に約300年前から口伝で継承されてきた民謡「丹波音頭」を取材し、南丹の人々の中に宿っている音の在処を訪ね歩く制作です。当時、丹波音頭を流行らせたと謎の道化の存在、田園の中、櫓の記憶。

他、新作1作品を展示。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《Song(仮)》(新作)|喫茶こま鳥
《Windows21_Doll House》(新作)|HACHI_HACHI_日本家屋

山田 春江YAMADA Harue

京都府生まれ。京都精華大学芸術学部卒業。2008年渡仏、喜劇を学ぶ。その後、舞台、音楽、美術展示など多岐に渡り表現活動を行う。近年では腹話術師だった祖父母が作った腹話術人形との再会から腹話術“CHEKAS”として活動する。物質である人形との対話を通して身体はどう関係していくかに興味を持ち、制作・パフォーマンスを行う。デンバー映画祭招待作品「YUKIKO」主演。下宿屋山田荘代表、RC HOTEL京都八坂のディレクターを務める。

《Before Becoming a Word》2020、個展「TELL ME YOUR NAME」、クサカベギャラリー/京都

《ふくちゃん》2020、個展「TELL ME YOUR NAME」、クサカベギャラリー/京都

《昨日の商品、幽霊劇場》

「今日の贈り物は、明日の商品。昨日の商品は明日の美術品。今日のアートは明日のジャンク。そして、昨日のガラクタは明日の家宝。」
--Arjun Appadurai「The Thing Itself」

この作品では、八木町商店街にある大正時代に開業し、数年前に閉店した金物屋を変身させる。 この店舗は未だ一部の商品が残されており、過去のものが残る暗然とした荒野となっている。そんな場所に、特製の音と電力装置を使って、商品としての使命を失った残飯のようなモノたちとつながり、展覧会のまなざしという新しい文脈の中で、社会的な生命を取り戻す。 それは幽霊の劇場であり、日常と現実の空間の中で過ぎ去ったものの「生き生きとした姿」の現れである。

作品・展示会場一覧(作品名|会場)
《昨日の商品、幽霊劇場》(新作)|麻田角店
《巣穴》 (2021)|長屋
《カムギャルズ》(2021) |長屋

羊 喘兒YANG Qinhua

多摩美術大学大学院情報デザイン科メデイア·アート専攻修了。上海で生まれ育つ。現在は東京に拠点を置き、3DCGをもちいた映像やインスタレーション作品を行う。消費主義が加速する現代に立ち並ぶ人工物やその景色をイメージとして、そこに存在する現実と虚構を浮かび上がらせます。主なグループ展に「Guerrillas in Flatland」(上海当代芸術博物館、2021)、「万能薬」(Calm&Punk Gallery, 2021)、「三角関係」(3331アーツ千代田、2020)など。「MEC2018」佳作賞入選、第23回学⽣生CG賞銀賞(寺井審査員賞)受賞。

《only black sees me》2018、Organhaus Art Space

《endless glory》2021、CALM & PUNK GALLERY、Photo by Naoki Takehisa

主催

京都:Re-Search実行委員会 (京都府、八幡市、京丹後市、南丹市、与謝野町)

問合先

京都:Re-search実行委員会事務局

〒602-8570 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

075-414-4287(受付:平日08:30-17:00)

bungei@pref.kyoto.lg.jp